The 130th Meeting of the Central Japan Association of Orthopaedic Surgery and Traumatology

会長挨拶

会長 三浦 裕正

第130回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会 会長
三浦 裕正
愛媛大学大学院医学系研究科 整形外科

 愛媛大学大学院医学系研究科整形外科の三浦裕正でございます。第130回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会を2018年4月20日(金)〜21日(土)の2日間、松山市道後のひめぎんホールにて開催させて頂きますことを、大変光栄に存じております。

 本学会の伝統を守り、実りあるものとなりますよう、整形外科教室員および同門が一丸となって、鋭意準備を進めております。

 今回のテーマは「鍛心磨技 —臨床家の原点への回帰—」とさせていただきました。鍛心磨技は聞き慣れない言葉かもしれませんが、文字通り心を鍛え、技を磨くという空手等の武道の訓練において用いられる言葉です。本来、我々は臨床家を目指して整形外科医への道を選択したはずです。優れた臨床家とは深い知識に支えられた高度の技術を有することが必要条件のひとつであります。したがって、整形外科医は臨床家としての手術技能を磨く必要があることはいうまでもありませんが、ややもすると知識偏重、理論偏重になりすぎたり、あるいは便利な機械やテクノロジーに頼りすぎているきらいもあります。私は職人という言葉が好きであり、職人として高いレベルの手術手技を身につけるにはどうすべきかを常に模索しています。臨床家の原点に立ち返り、手術のエキスパートとはどうあるべきか今一度再考すべき時かもしれません。

 しかしながら、現在、国内での体系的な手術教育の環境整備は十分とは言えません。特に手術教育のひとつの形態としてcadaver trainingは大変有用でありますが、まだまだ国内では普及していない現状があります。また、技術を磨くと同時に、その研ぎ澄まされた精度の高い技術を発揮するためには、心を鍛え、沈着冷静な判断力や集中力を養うことも重要です。

 そこで、本テーマに直結した企画として、福島県立医科大学常任顧問の菊地臣一先生に「手術のプロとしての条件」というタイトルで特別講演を賜ることとしました。また、鍛心については文化講演においてメンタルコーチとしてラグビー日本代表を変えた荒木香織さんに「心の鍛え方—整形外科医の技術向上のために—」というタイトルで講演をしていただきます。

 さらに磨技についてはcadaverを用いた手術教育の未来と題して手術教育についてのシンポジウムを計画しています。Cadaverを用いた手術教育は現在、厚労省の実践的な手術手技向上研修事業として5〜7大学で実施されていますが、法的な裏付けが不十分な中で、試行錯誤的に実施されているのが現状です。このシンポジウムにおきまして、倫理規定、企業参加の問題、献体の確保、維持運営などについて、解剖学教室、外科領域、さらに行政として厚労省からもご参加をお願いしており、深く議論していきたいと考えています。

 4月の松山は気候も穏やかで、瀬戸内海や宇和海の素晴らしい幸を堪能していただけると思います。それでは、いで湯と城と文学の町、春真っ盛りの松山にたくさんの方々のお越しをお待ちしています。